会計人への道

1.会計事務所を取り巻く環境変化

企業の寿命が30年といわれる中で、経営環境の変化はドラスティックであり、かつ変化のスピードも年々早くなっています。そのため、市場の変化に対応できない企業の盛衰がはっきりと出てきています。

会計事務所は、企業とのかかわりによって存立するものであり、企業の成長なくして自らの発展は望めません。したがって企業をとりまく激しい経営環境の変化が、そのまま会計業界に反映されることになります。

どの業界においても勝ち組、負け組の2極化は今後ますます進んでいくことが予想され、特に財務基盤が脆弱な中小企業は、環境変化に迅速に対応するために、会計事務所をはじめさまざまな外部専門家のアドバイスを必要としています。

つまり会計事務所が存続していけるかどうかは、このような状況の中で顧問企業の発展にどれだけ貢献できるかどうかにかかっているのです。

企業の会計事務所に対するかつてのニーズは、税務申告の代理業務や記帳代行業務、数字を正確に把握するための経理システムの構築、税務・会計といったものでした。それが最近、法的に守られていたはずの税理士の独占業務分野が徐々に崩されつつあります。

その要因として

・パソコンの普及・高機能化

・会計ソフトの普及・低価格化

・インターネットの普及

・税務署によるe-taxの普及・推進などが挙げられます。
本来、会計事務所に代行してもらっていた役割を自社でまかなうことにより、経費節減を行なうことが一般化してきています。

逆に、急激な環境変化により外部の専門家を活用して経営上の課題を解決しなければならないケースが増えてきました。

・上場準備企業を支援するためのディスクロージャー制度への対応

・コンプライアンス強化の流れに沿った「法廷陳述権」、「会計参与」

・企業成長を加速化させるための手段としてのM&Aの対応

・会社法の改正対応

上記の対応業務は、企業自らまかなうことは難しく、外部の専門家の協力が不可欠です。そのほか、経営問題の複合化・不透明化が進む中で、会計事務所単独では解決できない場合もあり、弁護士、社会保険労務士など他の専門家との連携強化を図ったり、会計事務所が自らを総合コンサルティング・ファーム化するという動きが出てきています。

2.会計事務所に求められる役割

会計事務所に求められるこれからの役割は、単なる「経理・税務上の相談、代理業務」だけでなく、より高度化・複合化した企業の経営課題の解決に向けての“ワンストップ・サービス”になります。

ワンストップ・サービスは企業にとってなぜ必要なのでしょうか。経営にかかわる問題そのものや法務的な部分を弁護士に、税務に関しては税理士に、労務に関しては社会保険労務士にと、経営課題に応じて企業の経営者が、いちいち切り分けて行っていくとなると、あまりにも時間的コストがかかってしまうというのが主な理由です。

また企業は、日々発生するさまざまな問題について、迅速に対応することが求められ、自社のバックボーンや事情などを、あらかじめ把握している専門家が側にいてくれれば安心します。課題そのものの本当のボトルネックがどこにあるのか、解決のための手順としてどの分野を優先的に取り組むのかをあわせて相談する、いわゆる町医者のような窓口機能が会計事務所に求められています。

税法も大きく変わりつつあり、企業から会計事務所に持ち込まれる相談も高度化しています。例えば、連結納税制度、減損会計、税効果会計、時価会計などのトピックスや、また国際会計基準、外形標準課税、移転価格税制など、グローバル化していく企業活動に伴う税務問題はさまざまです。加えて、コーポレートファイナンスなどの財務サービス、人事・労務、マーケティングの機能別のソリューションサービスなども求められる一方、企業の成長段階に合わせて株式公開(IPO)やM&Aといったプロジェクト的なサービスも多様に求められます。

また決して忘れてはならないのは、仕事上、企業に対して対峙する場面も多々あるということです。大手監査法人の監査責任の厳格化や、コンプライアンスに対するマーケットからの要請が世の中の流れとしてあり、企業に対して法令順守、企業責任を果たす重要性を指導していくことは、プロの会計士として当然に求められることになります。

3.会計事務所が求める人物像

企業が会計事務所に求めるニーズは、高度化・複合化しています。さらに、企業がマーケットから求められていることと同じく、スピーディーかつ的確な対応が求められています。

また、1度顧問契約を結んでいれば、一生の付き合いになるといわれた会計事務所と企業の関係は、現在ドライな関係に変わりつつあります。特にベンチャー企業などの若い経営者は、会計事務所のサービス内容と価格が一致しなければ、会計事務所を変更することにこだわりを持っていません。

したがって、会計事務所は従来の限定された税務に関わる分野や事後会計処理だけではなく、顧客満足度向上のために経営全般に渡った企業戦略を構築し、経営計画の実行にあたっての課題解決といったコンサルティングサービスを求められているといえます。会計事務所において事前に事業戦略実行の施策を一緒に考えていくといった、経営者により密着した付加価値的サービスが今後ますます重要な柱となるでしょう。つまり、企業経営者が最も知りたいのは「将来予測」であり、また最も頼りにしたいのは「経営判断」の一助となる“専門家の”タイムリーなアドバイスなのです。

経営上の課題を解決する上で、試験問題の計算式のように「この課題にはこの方法をもって解決する」といった絶対的な解答は存在しません。例え専門家としての税法等の知識を持っていても、そのノウハウを顧客企業にどう活かしてもらえるかが重要なのです。

つまり、会計事務所がもっとも欲している人材像とは、企業の現場で起こっている問題に踏み込んで状況を理解し、顧客企業のスタッフと共に汗を流すことができるような人材だといえるでしょう。

(ア)顧客に価値を提供でき、信頼関係を構築出来る人

(イ)熱意と責任感を持って仕事に取り組める人

(ウ)新しい知識を得るためにどん欲で、吸収が早い人

(エ)コミュニケーション能力、プレゼン能力がある人

(オ)顧客の喜びを自分の喜びとして受けとれる人

(カ)実践の場を重要だと思える人

(キ)最低限のビジネスセンスと問題処理能力を持っている人

(ク)高い意識を持って毎日の業務に臨むことが出来る人

(ケ)高いプロ意識、マインドを持てる人

抽象的ですが、いずれも成長を続けている会計事務所のトップの言葉です。

4.会計事務所の仕事

多くの企業は、「会計事務所(税理士事務所、公認会計士事務所、税務会計事務所を含む)」に、税務 申告をはじめとした税理士業務を依頼します。しかし、会計事務所の実態はつかみづらく、「怖い先生がいてとっつきにくい」、「淡々と決算申告の事務処理をするところ」、「税務署の対応窓口(税務署の下請、味方)」といったイメージが先立っているのが現状だといえます。

会計人の仕事

ここでは会計人の仕事を4つの項目に大別し、ご紹介します。

(1)監査業務

「監査業務」とは、法人の決算や確定申告における申告書を1年間(12ヶ月)の集大成として国や地方自治体に提出する業務です。決算時期や確定申告月に1年間のすべてをまとめるのはとてつもなく時間がかかりますので、月に1回程度お客様を訪問し、出納帳のチェックや領収書、請求書の整理、経理・財務面からの経営アドバイスなどを行なっていきます。監査業務を狭義としてとらえれば、公認会計士法に基づく法的独占業務といえるでしょう。

(2)税務業務

税務書類の作成や税務申告の代理、および税務に関する相談などの業務を総称して税務業務といいます。税務業務は、法人だけではなく個人もクライアントになるため、多くの会計事務所にとって収益の柱となっています。

(3)会計業務

会計業務とは「税務業務以外の経理一般の業務」を指します。具体的には財務諸表を作成したりすることから、財務や経理に関する指導、管理会計・未来会計など、今後どのような戦略を取っていけばいいのかを判断するための資料作りを行います。

(4)コンサルティング業務

コンサルティング業務は、会社の経営計画策定支援、実行に関わる助言などを行う経営コンサルティングから、株式公開、システム、人事労務、財務、税務コンサルティングにいたるまで多岐に渡ります。コンサルティング業務は、今後会計事務所が生き残っていくための付加価値サ-ビスとして必要不可欠であるといわれています。

5.働きながら勉強するということ

税理士免許を取得するため、つまり資格試験の合格を果たすためには大変な勉強が必要です。そのためには時間も確保しなければならないし、必要に応じて専門学校に通うことも検討しなければなりません。平坦な道ではないことは事実です。

また勉強とは別に、会計事務所において「会計人」としての役割を果たすためには経験も必要です。顧客のために全力を尽していく姿勢をもって、常に満足が得られるサービスを提供する必要があります。

ではどうしたらお客様を満足できるサービスを提供できるでしょうか。

シビアではありますが、仕事と勉強を両立させる道を選ぶのがベストルートです。時間の猶予はありません。一刻も早く資格を取得し、有資格者になるべきです。とはいえ勉強だけ出来ても、実務が出来なければ知識が有っても意味がありません。知識は、実務に活用してはじめて生きてくるものです。

「高い意識を持って仕事に臨み、効率的よく勉強する」この意識が大切なのです。会計人として成功した人物はみんな勉強と実務を両立させることでマインドを高め、合格を果たしています。

6.キャリア別転職ポイント

会計事務所への転職を考える際、自分自身の適正や将来の目標を念頭に入れておくことが転職成功の秘訣です。「会計事務所の経営者」を目指すのか、「スペシャリスト志向」なのか、もしくは「会計事務所のスタッフ」になりたいのか。将来の目標を明確にすることで、キャリアアップの道が見えてくるはずです。また、会計事務所にもタイプがあるため、どのようなタイプの会計事務所に転職するかをあらかじめ決めておくことで、スムーズな転職が可能になるでしょう。

会計事務所は以下の4つに分類されます。

(ア)記帳代行型
記帳代行に特化したサービスを提供する会計事務所。自社で経理社員を雇用できない零細規模の企業が主な顧客となります。会計事務所が経理部門そのものや、給与計算などを一括して受けるので、顧客企業は営業などの得意分野に専念できます。
また会計事務所が多い関西圏ですが、加えて記帳代行サービス専門の会社も数多く存在するため、価格のダンピング競争が激化しています。

(イ)オーソドックス型
各種税務申告業務、税務会計コンサルティング業務を主とする会計事務所。80%位の会計事務所がいわゆるオーソドックス型に分類されています。またそのうちの80%が5名未満の会計事務所で、顧問先件数は50社以下のところがほとんどです。顧問先企業規模に応じて、会計事務所の規模も決まりますが、関西では10名以上の所員を抱える会計事務所は中規模クラスといえ、顧問先は150社以上であるのが一般的です。中規模クラス以上の会計事務所では経営者の代わりに顧問先企業への巡回指導業務や税務調査の立会いなどの仕事も発生するため、スペシャリストの存在が必要となります。サービスの提供度合・内容にもよりますが、担当者1人あたり15社~20社程度の顧問先を担当することになります。

(ウ)業態特化型
会計事務所はさまざまな分野の企業と付き合っていく必要があるため、業界特化型の会計事務所を経営するのは非常に困難です。ただその中で業態に特化可能な特殊な業界もあり、その一例として医療関係が挙げられます。医療業界に特化した会計事務所は、最近目覚しい躍進を遂げています。業態特化型の会計事務所では、単なる税務会計サービスのみにとどまらず、物件の情報収集や商圏や競合先などの事前調査、集客のための販促、人材調達、導入医療機器の選定といった「開業支援コンサルティング」を行ない、これが大きな武器となっています。
また、建設業などの許認可が必要な業界であったり、助成金などを活用したい場合は、行政書士・社会保険労務士と連携して業務にあたります。さらに例外として、資産税・相続贈与などの個人、資産家向けのタックスプラニング、事業承継などを柱としている会計事務所もあります。

(エ)経営コンサルティング型
税務会計サービスを主な業務とせず、サービスの一部と位置づける会計事務所が増えています。特に公認会計士事務所には、監査法人などで培った経験・ノウハウがあるため、税務関連のみならず、企業再生、企業再編、企業評価、株式公開、M&A、内部統制、SPCマネジメント、デューデリジェンスなど業務領域が広く、高い専門性が必要になります。また税理士法人など、組織化を進めている会計事務所は社会保険労務士、中小企業診断士、司法書士などを採用したり提携したりすることで、ワンストップ・サービスを実現させています。

6-1.エキスパートへの道

エキスパートとは、文字通り会計事務所における“専門家”です。公認会計士・税理士などの資格を持ち、顧客の要望に確実に応えることのできる人材を指します。また専門分野において、知識・ノウハウ・実務経験を十分に積んでいる必要があります。

キャリアアップのポイント

エキスパートは、コンサルタントとしても一流でなければなりません。顧客の立場にたって何をすべきかをいち早く判断し、経営者に提案していく能力が求められます。最終決断をするのは経営者自身ですが、その決断に大きな影響を与えるコンサルティング業務は、生半可な気持ちではできません。経営者と一体となって、可能な限り最善の道を探るのが真のコンサルタントの姿といえるでしょう。

適しているタイプ

最初から独立にこだわるよりも、顧客に支持されながら自然に独立できるくらいまで、価値ある仕事を積み重ねていくことが得策です。プロフェッショナルへの近道はコツコツと地道に努力を継続していくしかないのです。

アカウンティングスターの転職アドバイス

世の中に自称コンサルタントはたくさんいますが、コンサルタントやエキスパートという名称は、実は顧客が決めるものだともいえるのです。経営者と真摯に向きあい、経営者の幸せを自分の幸せと心底思える仕事を続けていくことが何より重要なのです。

エキスパート体験談

40代前半 会計事務所経験約10年 税理士有資格者 男性

会計事務所のスタッフとして顧客を担当し、喜んで頂けるだけの仕事が出来る経験を積んできたつもりです。しかし、顧客数も多くて忙しく税務という枠内での仕事で精一杯でした。
自信過剰かもしれませんが、担当顧客の問題点を「自分なら解決できる」と思ったことが度々ありました。
忙しく、充実感のある毎日ですが、何か物足りなさを感じていました。
そんな矢先、顧客を安心して任せられるスタッフを探しておられる会計事務所の紹介を受け、私は半ば強引に働いていた会計事務所を退職し、そちらの方に移ることにしました。
コンサルティング思考が非常に強い先生の下、コンサルティングのつらさ、苦しさを感じながらも楽しく緊張感を持って仕事に臨んでいます。

6-2.スペシャリストへの道

会計事務所でいうスペシャリストとは「強み」をもっている人のことです。もちろん税理士資格が基本になりますが、営業力であったり、資産コンサルティングの知識やノウハウ(FPなどの資格)、システム関連の知識、マーケティング戦略の構築能力、またM&Aや企業再生などの実務経験保有者などは会計事務所が最も必要とする「強み」を持つ人材だといえます。会計事務所において、巡回監査スタッフとして顧問先を担当するようになれば、スペシャリストとしての第1歩を踏み出したことになります。

キャリアアップのポイント

将来的に独立を目指す会計人にとって大事なことは、自分の強みを持つことです。自分のスペシャリティを核として、顧客との接点を作ることがキャリアアップのポイントです。

まずは、目の前の与えられた仕事にとことん注力し、顧客企業に喜んでいただけるように努力を積み重ねることが大事です。それが徐々にノウハウになり、強みにもなります。

適しているタイプ

スペシャリストに適したタイプの人を限定するのは非常に難しいですが、独立して会計事務所を運営していくには、実務を重視できるタイプの人の方が向いているでしょう。また経営者としての感覚も必要ですので、幅広い視野を持っている必要があります。

アカウンティングスターの転職アドバイス

会計事務所を経営している多くの税理士の先生は、独立前から担当顧客に対して精一杯の努力をしてきました。だからこそ独立して事務所を構えることができたのです。また、独立して成功するためには積極的に何でも取り組んでいこうという前向きな姿勢が必要不可欠です。

スペシャリスト体験談

40代前半 会計事務所経験約5年 税理士有資格者 女性

一昨年末、私は税理士資格試験を受験し、不合格となってしまいました。私は、絶望しました。その時勤めていた会計事務所では女性には積極的に仕事を与えないという考えでしたので、資格を取らないとまともに仕事をすることができませんでした。 幸いにして、残業時間が短く、税理士試験合格までは続けて勤めていました。
そして、去年の12月に合格を果たし、円満に退職することになりました。しかし、どの会計事務所も決定打に欠け、就職までには至りませんでした。
「お客様と正面から向き合って仕事がしたい」と思っていた私にそういうことなら”ココ”という会計事務所を紹介していただき、お世話になることになりました。
先生はダメ出ししながらフォローしてくれる先生で、私は素直に尊敬しています。

6-3.申告補助スタッフへの道

税務に関する各種申告書の作成は会計事務所の主要な業務になります。当然、申告(補助)スタッフは重要な役割を担い、1人で申告書の作成を完結できるようになれば、会計事務所において欠かせない存在となります。顧客企業から必要な情報や書類を提出してもらい、納期に合わせて確実に作成していくことが求められます。

キャリアアップのポイント

基本的に税理士の指示に基づき、申告書を作成していくことになります。しかし申告書作成のスペシャリストには、税理士の指示をただ待つだけでなく、指示内容の根拠づくりや当該企業の過去の資料を自分で確認し、類推することにより、積極的に税理士に意見具申していくことが求められます。そうしたプロセスを経て、税理士の信頼を勝ち取っていくのです。信頼を得られれば、いずれ内部作業責任者への道が開かれるでしょう。また顧問先の数が増えていくに従って、顧客巡回スタッフが、資料作成、チェックまで手が回らなくなることがありますが、その際の補助的な役割を担う場合もあります。

適しているタイプ

税務のプロフェッショナルを目指す会計人なら1度は経験する業務となります。仕事をきっちりこなす方であれば、特にタイプを選ばず、こなせる仕事だといえるでしょう。顧客対応などが苦手な方でも、「縁の下の力持ち」的存在として、その能力を発揮できる業務といえます。

アカウンティングスターの転職アドバイス

申告スタッフとして戦力になるためには、概ね3年以上の経験が必要だといわれています。しかし、顧客や会計事務所内の期待に応えながら、申告書作成をスピーディーに完結できる能力が得られれば、立派な会計事務所内のスペシャリストといえるでしょう。将来プロの会計人を目指す方にとっても、申告書類作成補助の仕事は基本中の基本ですので、しっかりと経験を積みたいところです。

申告スタッフ体験談

30代前半 会計事務所経験約7年 税理士科目2科目取得 女性

会計士の世界には学校を卒業してから結婚し退社するまで7年間、勉強と仕事を両立しながら頑張っていました。
退社してからは子育てや家事に一生懸命でしたが、子供も小学校高学年になり、もう一度、会計事務所で働きたいと思うようになりました。
小学生の子供がいるので、残業時間との兼ね合いが難しいと思っていたのですが、その点も十分に考慮していただける会計事務所を紹介していただき、昔のように申告補助の仕事をさせていただいています。 とても、家庭と仕事と勉強という3つの事をやらなければならないので、とても忙しいですが充実した日々を送っています。

6-4.入力スタッフへの道

中小企業経営者にとって、経営上の数字を正確に掴むことが1番の課題であり、その数字をより早く把握することによって、今後の資金繰りや業績の向上策を充分に練ることができます。しかし多くの企業では、商品開発、製造、営業など売上に直結する業務で手一杯になりがちであり、加えて管理部門の人材も不足しているケースが多く見受けられます。そこで会計事務所が管理部門の機能を代行し、企業は利益に直結する業務に専念することができるのです。

キャリアアップのポイント

入力スタッフには、正確でかつスピーディーな仕訳力が求められます。また多くの企業を担当することになるので、顧客企業の事業特性や背景などを十分に把握する能力が求められます。管理部門が弱い中小企業に対して、自計化を指導していくことも1つのポイントであり、入力スタッフとしての事務所内の仕事にとどまらず、顧問先企業に出向いて、記帳指導、経理システムの導入などまでできるようになれば大きな戦力となります。入力という部分的な仕事にとどまらず、申告書の作成補助へのステップを踏んでいくと、さらに世界は広がります。

適しているタイプ

数字を扱うことが好きな人にはうってつけの仕事です。入力業務を通じて、さまざまな企業の経営的な動きを勉強することができます。また顧問企業の入力データのチェックは、一般企業の経理システム上の仕事よりも専門性が求められ、やりがいを感じることができるでしょう。

入力スタッフの給与は決して高くはありません。勤務時間を限定して働きたい方や、子育てをしながらでも生涯に渡って仕事をしたい方に向いている職種だといえるでしょう。

アカウンティングスターの転職アドバイス

いろいろな企業の動きを数字で追いかけるのが好きな人は、会計事務所での仕事に向いているといえます。また優遇される人材になるには、社会常識やビジネスマナーを十分に持ち合わせている必要があるでしょう。なぜなら会計事務所の見識向上にもつながりますし、顧問先企業とのやりとりを安心して任せられるからです。未経験の場合も、簿記・税理士科目を勉強する意欲があり、将来的に税理士になりたいという高い目標がある方は歓迎されます。

入力スタッフ体験談

20代前半 第二新卒 会計事務所勤務経験無し 簿記2級取得 男性

大学卒業後、意気揚揚と社会人としての第一歩を踏み出したのですが、どうにも仕事になじめずにいました。将来独立したいという夢もありましたので、思い切ってキャリアチェンジをしようと思い求人を探していました。
入力スタッフは「税理士を目指し、勉強できる」ということで、自分の将来を見据えたスキルアップにはぴったりだと思ったので、この仕事を選びました。
今までは外から見ているだけの世界だったので、右も左もわからない状況なのですが、日々色々勉強になっています。
以上